NHK福祉ネットワークでいま、まさに私の悩んでいることについて取り上げられました。
障碍者の就労について。去年10月の再放送です。
昨日は第1部の再放送がありました。
師匠からメールで「今すぐ見ろ!」と連絡が無ければ見落とすところでした。
障害者自立支援法施行から2年。「福祉から就労へ」という自立支援法の理念を体現する新しい事業として注目を集めた「就労移行支援事業」が、最初の利用期限を迎えようとしている。
この事業は企業などへの一般就労を目的に、必要な訓練や就職支援を行うというもの。働きたい障害者が、2年を限度にこの事業を利用し、企業に就職することを想定している。「就労移行支援事業」は、これまで少なかった福祉施設から企業への就職の道を開いた。しかし同時に、多くの福祉施設では、具体的な支援のノウハウや関係機関とのネットワークをもたないままスタートを切り、結果を出すことができずに苦悩している。
「障害者の就労」を考える2回シリーズ、1回目は自立支援法によって生まれた「就労移行支援事業」の現状を伝え、どのような課題があるのか検証する。
就労移行支援事業を利用し、一般企業の中に入って実際に仕事をする。この番組で紹介された事業所ではスーパーの青果部での果物の袋詰めを行う作業に取り組んでいました。根気強く単調な作業を続けることを学んでいました。また、就労に成功した先輩の仕事場はどんなところか?紹介されたのは大きな食堂の食器洗いの仕事です。数時間休み無く作業を続ける中、障害者が戦力となる様子が紹介されていました。
そして、就職に向けての面接や、挨拶などの練習も行う様子も映し出されていました。
障害者が多数、就職に結びつくことが出来たようです。成果は上がっているようです。
しかし、事業所としては、就職によって利用者が減ることになり、請け負っている青果部の仕事をこなすための人手が足りなくなってしまうという危機に陥っています。また、現在の自立支援法の個別給付の仕組み上、利用者人数が減ることは即、収入減につながります。ひどい時には職員の人件費が賄えないほどにまで給付が減る現実がありました。早く多くの障害者を就労させればさせるほど、事業が苦しくなる・・・。そんな制度上の問題があるのです。
今日は第2部です。仕事を続けることについて。
私は障碍を持ち、また、根性を持たないため、仕事が長続きしないことに悩んでいます。そして現在、就職活動に入ろうとしています。まさにタイムリー。興味深く見ることにしました。
働くことを希望する障害者が、せっかく就職しても、すぐに離職してしまうことが問題となっている。職場の人間関係がうまくいかない、仕事にうまくなじめない・・・。どうすれば障害者にとっても、企業にとってもメリットのある働き方ができ、長期間の就労を実現できるのか?
シリーズ2回目のテーマは「働き続けるしくみをつくる」、障害者がグループになって役割分担しながら工場で働く例や、複数の企業が共同でNPOをつくり、障害者の就労・定着支援を行う新しい取り組みなどを紹介。
障害のある人が安心して働き続けるために必要な支援について考える。
今日も就労移行支援事業についてです。今日取り上げる一つ目の事業所では、化粧品の梱包の作業を工場の一角を借り、障碍者のグループで作業しています。得意不得意を見極めて作業を分担することで無理をなくして行きます。
企業の側にもコストや作業者の能力に見合った作業を行ってもらうことでメリットがあるそうです。
障害者が単独で就職すると人間関係に問題を抱え、周囲からの孤立するなどして離職することが多くなります。そこでグループ就労が大きな力を発揮します。作業の指導や仲間との良好な人付き合い、性格上の特性に合った仕事を割り当てることができることから、重度の障害者でも就労が可能になります。
企業の側にも就労移行支援事業所に作業を任せることによって安心して仕事を任せることが出来るようです。
また、中小企業が合同でNPOを立ち上げ、障碍者の就労にのりだそうとする試みも行われています。
このNPOではまずは就労に必要な訓練を行います。
たとえば精神障害者の日々の不安定さを克服するための訓練です。毎日決まった時間働けるように慣らしていきます。ここで用意された様々な仕事を経験することで個人にあった仕事を見つけていきます。
次の段階として実際の職場へ実習に出て行きます。様々な会社が関わることで多様な訓練場所が確保されます。これから協力する企業は増えていくそうです。
それをクリアすると「トライアル雇用」に挑戦です。障碍に対して理解ある会社で働けることになります。就職後は、各障碍者に対してケア会議が持たれて継続したフォローが行われます。
福祉と就労は今まで分断されていました。これからは共同してネットワークを形成し就労とケアを提供できるようになることを目指すことが求められています。
以上のような番組内容でした。
さて、自分のことをふりかえると、やはり、対人関係の不器用さは否定できません。自分の障害受容とも絡んでくるのですが、このような事業所ですら、続けることが難しいかもしれません。
今まで、就労継続支援事業所で指導員として働いてきましたが、かなり無理をしてきました。立場の不確かなところや、場合によって健常者の顔と障碍者の顔を使い分ける必要もありました。障碍に対してこれ以上理解のあるところはないのですが、極めて働きにくい職場だったと思います。
そんな状態なのに今回、PSWの資格取得ということになるわけですが、いったい私はどのような職が向いているのかさっぱりわからなくなっています。
今週末、遠征して職探しのための偵察をしてきます。自分のアイデンティティがどのように変化していくのか分かりませんが、適職が見つかることを祈っています。何が問題となっているか見極める・・・と同時に自分の武器となるものは何かよく考えてきたいと思います。
っていうか、働き始めると嫌な仕事を断れないので(働くとはそういうものだけど)精神を削りながら日々を過ごすわけだけれど、過大な期待がかけられる事も多く、どんどん無理が重なってダウン・・・という今までのパターンがあります。人と折衝するのが苦手なのに品質管理やらされたり、大きな会議に出されたり、大人数に授業を行えと命じられたり・・・。普通の人はそれをクリアして成長するのだろうけれど・・・。
今回も乗り越えていくしかありません。
失敗には慣れているので少しはタフになっているはずなのだけれど、
もともとが神経質なものだから(そのわりに鈍いが)、病気と合わさってすぐ自爆。
社会経験も中途半端なので自爆したフォローもうまくできない。
それでも仕事は探さなければなりません。
自分のスイッチを電化製品みたいにOFFに出来れば休めるのだろうに・・・と思います。
というか、現在、休んでも休まらない。
焦りが出てるので闇雲に動きそうなのを押さえないと。
ぶっこわれるまでいかないと誰も見向きもしない。
社会適応という名の悪魔に取り付かれて、社会から振り落とされる。
そんな感じです。
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はじめまして!
私は統合失調症の24才女です。
発病してまだ3年の未熟者です(^o^)
私は今フリーターをしているのですが、いろいろ悩んで精神保健福祉士になるべく通信大学に通おうかと考えております。
二年前にも、退院してすぐに精神保健福祉士の3年制の専門学校に入ったのですが、自分は障害者なのに健常者と同じ立場から患者を見下しているようで、堪えられなくてすぐやめてしまいました…
友達とうまくやれなかったというのもあるのですが…。
ちなみに発病してからはその時通っていた大学を中退しています。
これからもブログ拝見させていただきます☆☆
がんばって下さい!
>障害者自立支援法施行から2年。「福祉から就労へ」という自立支援法の理>念を体現する新しい事業として注目を集めた「就労移行支援事業」が、
この「上からの」ドグマの転換が、精神障害者自身の「在り方」および精神障害者に対する「医療、福祉サイドの接し方」を180度変えてしまいました。その豹変ぶりによって多くの当事者が困惑する羽目になったと思います。精神障害者は以前より自堕落に生きてきた訳では決してないと思うのですが。
>紹介されたのは大きな食堂の食器洗いの仕事です。数時間休み無く作業を続>ける中、障害者が戦力となる様子が紹介されていました。
障害者が戦力となれるのは「食堂の食器洗いなどの(単純で頭脳は使わず人間関係も不必要な)作業を数時間休みなくすることだ」と決めつけられると、「社会的に吹けば飛ぶような役職にしか精神障害者は必要とされていないのです」と言われてるようで、「現実」は、インテグリティだのインクルージョンだのといった「理念」とはどんどん離反する方向に進んで行くような気がして悲しくなります。
悲しくなるだけだったら「まだ良い」のですが、そういう風に人生を送ってこなかったのに、突然上記のようにドグマが変えられてしまった結果、手遅れになってしまった当事者は、どのように社会にランディングすると良いのでしょうね?
>ぴょん さん
はじめまして。
>患者を見下しているようで
対等でいることはほんとうに難しいです・・・。
>友達
一時期、私も昔の友人とはほとんど縁が切れてしまいました。病気を理解してもらうのが難しい面があるのは確かですが、ひょんなことからまたつきあいが始まったり。
統合失調症は波のある病気です。ご自分のペースをうまくつかんで無理なさらぬように・・・。
コメントありがとうございました。
>m.takeda さん
コメントありがとうございます。
食器洗いも立派な仕事です。社会的な役割をちゃんと担っています。
今回の番組では自立支援法の「売り」でもある三障碍の同一扱いの件もあるのでしょうが、知的障害を持つ方の支援の紹介が多かったと思います。
本気でインクルージョンを考えるのならば、「障害者雇用」という扱いが存在すること自体が障壁となるのかもしれません。いわゆる障碍を持った人を、「障碍者」とひとくくりにすると見えなくなるものがあると思います。個人が個人として扱われないところにひとつ問題があるでしょう。障害者を個別に、適職に就労に持っていくには、まだまだ社会の理解は不足しています。出来る人が出来る仕事をすればいいのですが、マッチングは個別に考えなければいけないわけで、一般論として何かをいうことは難しいと思います。
読み終わったら感想を書こうと思っていたのですが、ラップの「ストレングスモデル」という本を読んでいます。その影響を受けて思います。当事者を福祉的就労で手厚く保護するより、一般社会の理解の下「当事者の持っている力」を生かせるところに一般の人々と同様な形での就職を出来るようにすることができれば良いのだろうにと。
>手遅れになってしまった当事者
厳しい言葉ですね。社会に期待するのではなく、障害者自らが雇用主と対等に渡り合えればいいのですが、難しいことです。障碍者の個人が持った強みを障碍者自信が自覚し、一般就労にチャレンジするべきなのでしょうが・・・。
そこで、番組で紹介されたグループ就労のような形の働き方が生きてくるのだと思います。
私自身、社会に切り込んでいくのに大変な勇気を必要としています。
ブログの運営すら困難な私にランディングができるかどうか・・・。
でも、やるしかないですね。私は私自身を職業社会に組み込む作業をしなければなりません。
それは、誰の真似でもなく、モデルがあるわけでもなく、独自のものとなると思います。
障害者は「障碍者としてのある人間」ではなく「ある人間が、たまたまある障碍を持っている」という方向で考えていかないとどこかギクシャクしたものになると思いますがどうでしょう?
ピントが外れたかもしれません。すいません。
>本気でインクルージョンを考えるのならば、「障害者雇用」という扱いが存在す>ること自体が障壁となるのかもしれません。
究極的にはおっしゃる通りだと思います。なので、この国の社会がインクルージョンという概念を受け入れて、それが完成した後に、障害者自立支援法という「制度」を造るべきだったと思うのです。個人的には、今からでも一旦該法律を廃止して、この国の社会の成熟を待つ方が先、とさえ思います。
>ラップの「ストレングスモデル」という本を読んでいます。
ラップってコープランドさんの提唱されたモデルのことでしょうか?(勉強不足ですみません。)もしそうならば、コープランドさんもマーク・レーガンさんもエド・ロバーツさんも、皆、アメリカなんですよね?だからと言って、例えば映画、「ビューティフル・マインド」の数学者ような生き方が理想だとは決して思いませんが、「一般の」と表現されている「社会」や「人々」が、アメリカと日本ではあまりにも違い過ぎるため、アメリカの福祉モデルは所詮日本には輸入できないものだろうと考えています。(すなわち、第一段落で述べた意味での「社会の成熟」が、この国では将来的にも無いであろうという点において矛盾と絶望を感じるのです。)
>それは、誰の真似でもなく、モデルがあるわけでもなく、独自のものとなると思います。
正直申し上げて、このお考えは素晴らしいと思いました。そして、これこそが結論かも知れないと思いました。結局言い古された不平・不満をいくら並べた所で、障害者サイドから社会の価値観までをも変えることは不可能でしょう。(だからと言って既存の価値観を社会が捨てなくても良いという理由にはならないと思いますが。)実は、自分のことを揶揄して「手遅れになってしまった当事者」と表現したのですが、障害者行政やその実行の仕方があまりにステレオティピカルなため、「その感覚」を忘れていました。私もつまずいていますし不安で一杯ですが、誰の真似でもなく、モデルがあるわけでもなく、独自のランディングができるように願いつつ、再び歩んでみようと思いました。
この度はありがとうございました。
>m.takeda さん
「ストレングスモデル」はチャールズ・A・ラップさんとリチャード・J・ゴスチャさんの共著の本です。コープランドのWRAPとは別物です。(関係があるか無いかはわかりませんが)
ケースマネジメントにおいてクライアントのストレングスに注目し、地域を社会資源のオアシスととらえることで、リカバリーを達成しようとするアプローチの方法のことです。
http://www.amazon.co.jp/ストレングスモデル―精神障害者のためのケースマネジメント-チャールズ・-ラップ/dp/4772410589
まだ読みかけなのですが、社会の相違を超えて通用するものがあると感じています。
乱暴な言い方をすれば、障碍者の弱い点に注目して、保護や隔離をするよりも、障害者個人の強み(希望や特技やいいところ・・・etc.)を生かして、普通の社会の使えるものを使って、その利用をサポートすることで社会に復帰してしまおう。そうすると意外と上手くいくというような考え方だとわたしは今のところ解釈しています。
個人個人に合わせた福祉施設・施策は無いのだから(オーダーメードの福祉施設?)、既存の社会にあるもので、地域社会でやりたいこと・できることをやる方がいいだろう・・・と。それを援助する方法論としてどんな考え方をすればいいかというあたりが書かれています。
まだ読みかけなので、説明するのは危険ですけど、そんな感じです。
web上であまり情報が引っかかってこないので、図書館などでさがしてみるのはいかがでしょうか。上手く説明できなくてすいません。
本当に病気と闘うために費やした時間が戻ってくれればと思います。文句を言ってても仕方が無いので、なんとか社会にくらいついて行きたいと思います。
また、なにかありましたらよろしくお願いします。ありがとうございました。