コンボのこころの元気+2011年3月号を読んでいたのですが、
21ページに興味深い記事が。
平成23(2011)年4月1日より、障害年金の一部が改正されます。
障害年金の受給権発生後に、生計維持関係のある65歳未満の配偶者、18歳年度末(一般的に高校卒業)までのお子さんを扶養する場合にも加算がつくようになります。
国民年金、厚生年金、共済年金すべて共通です。
・・・
(後略)
年金事務所に問い合わせてみた所、障害基礎年金では配偶者に対しては加算がつかないとのことです。扶養する子に対しては基礎年金でもつくらしいのだけれど。厚生年金などでは、配偶者に対しての加算がつくようになるらしいです。しかし、今回の改正はもう後2週間ちょっとというのに中央でどういう扱いをするのか混乱しているらしいです。
で、真偽を確かめるべく、コンボに電話。あっさり、原稿を書いた社労士の先生に聞くようにとのこと。
素直にその社労士さんに電話してみたけれどつながらない。
ちょっとしたことなんだけれど、年金事務所も社労士もテキトーな感じ。
受給者のことをもうちょっと考えてくれても良いんじゃないかと思うのですが、
制度がややこしくなりすぎているんだなと思いました。
コンボもウラを取ってから載せなきゃいけないのだろうに。
それとも単純に国語の問題なのでしょうか?
それにしても考えれば考えるほどなんでこんな制度になっているのか不思議です。
年金保険料を払わない人が増えるわけだなと思いました。
社労士さんと連絡が取れました。
やはり「国民年金」には配偶者に対する加算はつかないとのことで、
記述に誤りがあったということでした。
親切に折り返し電話をいただきました。
また、厚生年金と共済年金には記事通り加算がつくようです。
・・・なんで国民年金にはつかないのでしょうねえ?
電話で詳しい方(政治家)に突撃しました。
年金についての基本的な根っこから生じる違いでした。
国民年金は、あくまでも「個人」が加入するもので、障害者自身と配偶者は別々に年金に加入することになります。よって、配偶者がどういう状態であろうとも別々だから加算はつかないとのことです。
一方、厚生年金と共済年金については配偶者を扶養するのが前提であり、よって「3号被保険者」という仕組みがあるように、配偶者とひとまとめに年金に入っているということで加算がつくということだそうです。
聞いてみれば納得です。理屈としては。
・・・が、何か根本的に納得できないものを感じます。
たとえば、独身で国民年金に加入していて発病した人と、
同じく、独身で厚生年金に加入していて発病した人が、
同じように障害を負うことになって・・・。
その後から、さあ結婚しますよ・・・ってなったなら、
ずいぶん違いがでてくるのではないかと。
コレ納得いく説明があるのでしょうか?
ちょっと研究してみる必要がありそうな。うーん。
厚生年金と各共済年金は成り立ちがねぇ
大戦中の強制徴税みたいな側面も聞いたことあるし、
1940年代の「男が外で働き、家族を養う」が
未だ強い時代だったからねぇ。
>シバ さん
障害者施策全体が傷病軍人対策で大きく前進しているので、
それを考えるとなるほどと思います。
身体障害関係が比較的早期に整えられたのも、
戦場で怪我した方々への支援として進められた背景がある様です。
精神障害はかなり後から手当てされるようになったわけで、
いまだに不十分なところがあります。
戦地から帰ってきた方々の中にはPTSDとかで苦しむ人もいたのだろうに。
まだ当時は精神論で片付けられてしまったのでしょうか・・・。医学的に進歩した現在、障害年金の内容を整理する必要があるのかもしれませんね。
子の加算は障害基礎年金に付き、配偶者加給年金は障害厚生年金や障害共済年金に付く‥‥というしくみになっているからですよ。
かつ、いずれも年金での障害等級が2級以上の場合にのみ加算が付きます。
ただそれだけのことなんです。基本中の基本。
言い替えると、記事を書くほうもそういうことをきちんと頭に入れていないと困りますよね。
ということで、もしも対象になる子・配偶者がいる、障害厚生年金2級以上の人の例。
まず、障害基礎年金も併給されるわけですから、子の加算が付きます。
と同時に、配偶者加給年金も付くことになります。
精神の障害については、発達障害と知的障害に関しては、障害認定基準の見直し作業が進められています。
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000000an1v.html#shingi13 にありますが、障害年金の認定(知的障害等)に関する専門家会合で作業が行なわれていて、既に改正案(精神の障害用の診断書様式を含む)も見ることができますよ。
その他、4月以降、子の加算が付くと、児童扶養手当(ひとり親家庭に出る手当です)をもらっている人(いわゆるシングルマザーなどがそうです)の場合には、子の加算と児童扶養手当との二者択一を行なわなければならないしくみになります。
どちらか額の多くなるほうを選択して、他方をやめるしくみになります。
こういうことって、ほとんど周知されていません(でも、厚生労働省法令等データベースシステムの新着情報[更新が速過ぎる!]のPDFでちゃんと取り上げられました)し、疑心暗鬼というか混乱を招く元ですよね。
ごめんなさい。
児童扶養手当との二者択一に関して、一部訂正&補足です。
児童扶養手当は、ひとり親家庭のほかに、両親の片方が重い障害を持っているときにも出ます。
このとき、ひとり親家庭(母子・父子家庭)のときには、母本人や父本人が重い障害で障害年金を持っていて子の加算が付くと、児童扶養手当は受けられません(現行もそうですし、これからもそう)。二者択一はできません。
一方、両親の片方が重い障害を持っているときには、もう片方の親(健常者)に児童扶養手当が出ることになるので、重い障害を持っているほうの親に出る障害年金の子の加算との間で、こちらは二者択一が可能です。
ややこしいですねぇ。
要は、「ひとり親家庭で、かつ、親本人が障害年金の子の加算を受けている時は、児童扶養手当は受けられないよ」ということです(子の加算を優先して、児童扶養手当をストップする)。
正直、なーんか矛盾しているしくみに思えますが。
これって、問題にならないんでしょうか?
>まろん さん
ひゃー!
相当難しい仕組みになってる・・・というか、
素人に手を出させまいとする意思を感じるのは私の妄想でしょうか?
矛盾というより屋上屋をかさねた結果のような気がしますけど。
現場にいないとわからないことが多そうですね・・・。
解説ありがとうございました。