太郎:「おいおい、お前さ、『難易度が高い』なんて言葉、あれどう思う?」(註)※1
次郎:「どう思うって、普通に使うやろ。『このゲーム難易度が高いな』って。」
太郎:「いやいや、『難易度』は『難しさと易しさの度合い』やろ?『難しさと易しさの度合い』が『高い』って、何やその状態! 難しいか簡単か、ふらついてる妖精みたいな表現やないか!」
次郎:「妖精て…突然メルヘン出すなよ。難易度ってのは『どれくらい難しいか』を測る物差しやん。その物差しが上がれば難しい、下がれば易しい。それを『高い』って言うのは全然おかしくないやろ。」
太郎:「でもさ、『難度が高い』ならまだわかる。でも『難易度が高い』は変な感じせえへん?」
次郎:「いや、今の言語感覚では全く問題ないで。たとえば『満足度が高い』とか『満足度が低い』って言うやろ。あれも『満足の度合い』が高い=めちゃ満足してる、って自然にわかるやん。」
太郎:「たしかに『満足度が高い』は別に気にならんな。『満足の度合い』が高いで満足しまくりやもんな。」
次郎:「せやろ。『難易度が高い』も同じ理屈や。『難易度』って言葉自体が『難しさの度合い』を表してるんやから、その度合いが上がって『高い』って表現するのはごく自然やで。」
太郎:「でも辞書的にはどうなんや?辞書に『難易度が高い』が載ってないとか、変なことにはなってへんのか?」
次郎:「実際に辞書とか言語資料を調べたら、ふつうに『難易度が高い』って使われてる例なんていくらでもあるで。現代語で違和感なく通じる表現やからな。『高難易度』って単語も定着してるし。」
太郎:「なるほどなあ。言語って生き物やから、昔は『え?そんなん変ちゃう?』って思う表現も、気づいたら全員が普通に使ってるもんやもんね。」
次郎:「その通り。『難易度が高い』が『誤用』って決めつけるのは、時代や実際の使われ方を無視した、ちょっと堅苦しい考え方やで。要は通じりゃええねん。」
太郎:「よっしゃわかった! じゃあ俺も次から堂々と『このクイズ、難易度めっちゃ高いな!』って言うわ!」
次郎:「ええやん、自然に使いこなしていこうや。言葉は使われる中で育つんや!」
太郎:「ほな、次のステージは『高難易度』やで!いっちょクリアしたるわ!」
次郎:「目標が上がったな、頑張れよ!」
太郎:「でもさあ、こういうのって他の表現でもあるんかな?『このカレー、辛さ度合いが高い』とか?」
次郎:「そら使えるで。『辛さ度合いが高い』言うたら『めっちゃ辛い』ってことやろ。実際、メニューなんかで『辛さレベル○』とか『辛さ5段階中5』とかよう見るやん。」
太郎:「なるほどな。『辛さレベルが高い』で『すんげぇ辛い』ってわかるわけや。」
次郎:「そうそう。結局みんな、『度』って言葉を、『何かの程度を示す目盛り』として自然に使ってんねん。その目盛りが高い=もっと強烈っていう発想やな。」
太郎:「俺、昔『敷居が高い』って言葉聞いたとき、『そのお店、入り口の段差めっちゃ高いんか?飛び越えるレベルか?』って素直に思ったことあるわ。」
次郎:「ええやん、その純粋な感性!でも実際『敷居が高い』は『ちょっと行きにくい』いう比喩やん?言語って比喩や慣用表現に溢れてるわけや。」
太郎:「ふむふむ、確かに。『ハードルが高い』なんかも、別に目の前に陸上競技のハードルが設置されてるわけやないしな。」
次郎:「そういうことや。『難易度が高い』ってのも、『難しさ』を数値化するようなイメージやねん。いちいち『この問題は極めて困難な性質を有し、それに取り組むことは容易ではない』なんて言う必要あらへん。『難易度高い!』で一発や。」
太郎:「確かにな! 言葉は生き物で、便利やと感じればみんな使う。そうやって定着していくんやな。」
次郎:「ほんで時が経つと、誰も違和感感じへんようになる。実際、今となっては『難易度が高い』なんて、ごくフツーに使われとるやろ?」
太郎:「めちゃくちゃ使われてる!ニュースもゲーム攻略記事も、たいてい『このコンテンツは高難易度です』とか平気で書いてるし。」
次郎:「せやろ。ほなもう、辞書片手に細かいこと言うより、実用的な表現として受け入れたほうがエエんちゃう?」
太郎:「オッケー、なんか眼からウロコやわ。言葉を素直に楽しんだほうがストレスたまらんしな。」
次郎:「そうそう!次に難しい問題に直面したら、堂々と『この問題、難易度めっちゃ高いわ!』って叫んでみい!」
太郎:「了解!これで俺も自然体や!ほな、難易度MAXのクイズに挑むで!燃えるわあ!」
次郎:「燃えすぎて家事(火事)にならんよう気ぃつけや!」
太郎:「ところで、最近ニュースで見たんやけど、来年の入試、めっちゃ問題が難しくて『今年は難易度が高い』って、教育委員会も公式発表してたで。」
次郎:「おお、公式で『難易度が高い』言うてるんかいな。もう『難易度が高い』は公認やな!」
太郎:「そりゃそうや。今更『難度が高い』以外は認めません!なんて主張するのは、相当な化石的人物やで。あの発表見て思ったわ、国のトップクラスのテスト制作陣まで『難易度が高い』を使っとる!」
次郎:「ほんなら言語学者も『難易度が高い』は定着したとみてええんちゃうか? そのうち辞書にも『【例】この試験は難易度が高い』って、バッチリ載るで!」
太郎:「すでに載っとるかもしれへんで。言語は生き物やから、辞書編集者も最新用法にはアンテナ張っとるやろ。」
次郎:「この前、2025年版の新語辞典がチラッと話題になってたけど、今時『難易度が高い』ぐらいは逆に『今更』感あるよな。」
太郎:「ほんまやな。今流行ってるのは『超高難易度』『鬼レベル』とか、さらに激辛スパイス効いた表現やもんな。」
次郎:「『鬼レベル』とか、そのうち行政文書にも出てきたらビビるで。『今年の公共事業入札は鬼レベルの難易度です』とか。」
太郎:「国土交通省がそんなアナウンスしたら笑うわ!でも、そうなったらもう『難易度が高い』どころか、言葉の領域大幅拡張やな。」
次郎:「ほんまに、言葉は止まらへん。そういえば最近のクイズ番組で、『高難易度』どころか『究極難易度』ってテロップ出してたで。」
太郎:「究極か!究極まで行ったら、もうそれ以上表現しようがないぐらいやん。次は『次元歪曲難易度』とか意味不明な方向に進化するかもな。」
次郎:「それはもう難易度のメタバースやな。言葉遊びも際限なしやで。」
太郎:「でもさ、こうやって笑い話にしてるけど、要は『難易度が高い』みたいな表現が人々に受け入れられて、当たり前になってるってことや。」
次郎:「せやから、昔は正しい正しくないで揉めたかもしれへんけど、今は言葉が普通に生活に溶け込んどる。そう考えたら、目くじら立てんでもエエんちゃう?」
太郎:「そうやなぁ。新しい表現が出てくるたびに『正しいか?』って鬼の首取ったみたいに騒ぐより、『お、また面白い表現増えたな』って楽しむほうが人生楽しいで!」
次郎:「ほんで実際、ニュースから受験、クイズ番組まで『難易度が高い』は大活躍!次はどんな表現が出てくるか楽しみやわ。」
太郎:「ほんまや。次に何か『神難易度』『伝説級難易度』とか出てきたら、また二人でつっこんで笑おうや。」
次郎:「任しとき!どんなにハードルが上がっても、オレらのツッコミは難易度不問で炸裂や!」
太郎:「ほな、また新しい表現に遭遇したらここで会おうぜ!何度でも『難易度が高い』!これからも言葉の進化を笑い飛ばしたるわ!」
次郎:「言うたな!またおもろいネタ持ってこいよ!」
註※1:文部科学省サイトより。「教育の情報化に関する手引」検討素案
第5章 初等中等教育における学習指導でのICT活用
(5)学習指導の効果を高めるICT活用のために
”…つまり、高価なICT機器であるかどうかや、技術的な難易度が高いといったこと、或いはICTの特徴を活かした機能といったことだけでは、学習効果を高めるために直接的な役割を果たさない可能性もある。…”