駅の近くの本屋でたまたま手に取って買ってきました。
内容は基礎的なことから、症例や著者の見解など総合的に新書としてはかなり優れた本だと思います。わかりやすいし、現代の精神医療分野での問題点がかなり的確に述べられていると思います。
メンタルヘルスの入門には絶好の一冊になるでしょう。
この本を起点にしていろいろ学ぶと結構すっきりいろんなことが理解できるのではないかと思います。ただ、新書だから情報量はあまり多くありません。気軽に読めるけれど、物足りないところも。
ネットに流れる不確かな情報(私なんかがたれ流している)に踊らされないようにとの警告も。実際、変な情報は私もよく目にしますし、お互いのためを思って発せられた情報が不幸を招いているということは自覚していかなくてはならないと思いました。
精神分析をばっさり殺ってます。これは勇気がいるだろうと思いますが、医療としての有効性をきっちり証明していくことは重要だと思うので、精神分析方面でカウンセリングなどを行っている側の反論が待たれるところです。
全体のまとまりもよく、最後の企業に対する警告、政府への苦言はもっともっと大きく主張しても良いと思います。
一病者として、読んでスッキリしました。
医者の当たり外れってあるんだな。やっぱり。
本を書く能力と、患者を治療する能力の相関を吟味する必要がありますが・・・。新書でここまでできれば満点ですよ。お金を払って読んだかいがあったというものです。
・・・っていうか、一般の人はどう反応するだろうか?
切り口も内容も良いのだけれど、週刊誌の記事みたいな派手さはないので、ちょっぴり営業的に心配です。
2009年10月に発行されて、今、手元にあるのが第1刷。
ううむ・・・。