「統合失調症ぼくの手記」を読んだら・・・

スクーリングに行ったとき、生協の本屋に寄りました。
さすがに福祉関連の本は充実していまして、あやうく手持ちのお金を全部はたいて欲しい本みんな買い占めようかと思いましたが、ぐっとこらえて2冊選んで買ってきました。

そのうちの一冊です。

オーストラリアの統合失調症者の書いた本です。
美術系大学で学び、現在はイラストレーターだそうです。

ドラッグに手を出したのがきっかけで病の世界に入っていきます。
周囲の物音や他人の会話から非現実的な妄想を生じてしまう・・・。
友人たちと生活しながらも、症状は消えません。

周りで誰かが自分を監視しているとか、ささいなことに自分へのメッセージを感じ取ってしまう。親しい人まで自分を陥れようとしていると感じたり、偶然が偶然ではなく仕組まれているものだと感じたり。

症状の主観的記述が冗長に思えるくらい書かれています。

そして、読めば読むほど彼の体験は、私の体験に酷似しています。
「ああ、そういうことあったなあ」となつかしく思ったり、そういう状態の時の恐怖感を思い出したりと、244ページの本をあっというまに読み終えてしまいました。ドラッグはやったことないし、彼ほど活動的ではなかったけれど、体験したことがほぼ同じなのです。

「統合失調症」の患者はひとりひとり違うのだと理解しなければいけないけど、同じ名前の病気であることが納得できました。

 
急性期症状の記述が主なのですが、この後の慢性期の陰性症状がどんなにきついものかについてはあまり書かれてはいません。長く続くしんどい毎日、自分の思いを満たせない能力低下・・・。急性期の陽性症状の激しさは本にもしやすいのだろうけど、その後の回復過程をもっと読みたかったと思いました。

 
 
たぶん、この本って当事者以外が読んだらピンとこないところが多いのだろうな・・・。

当事者が体験を語るということについても自分の考えをまとめてゆかねばと思いました。

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