カテゴリー: 読書

読書記録

「統合失調症 本当の理由」を読んだ。

「統合失調症 本当の理由」ハロルド D.フォスター著 を読みました。

  1. 症状と統合失調症への従来からの治療方法
  2. 統合失調症の発病に関わる歴史的変遷
  3. 統合失調症患者における身体の異常
  4. 発病の遺伝的要素
  5. 統合失調症における生化学的異常
  6. 発症頻度の地理学的偏差値
  7. 統合失調症と他の疾病、障害との関連
  8. 伝統的治療と異なる治療
  9. 統合失調症への伝統的治療
  10. 統合失調症から治った50の症例からわかること
  11. ドーパミン仮説とアドレノクロム仮説の検証
  12. 発病におけるストレス、アレルギー、低血糖の役割
  13. アドレノクロムの過剰を治療する方法
  14. 統合失調症の特徴を描く
  15. 統合失調症への理想的治療
  16. 統合失調症の利益となる価値、遺伝子の優位性

題名だけで買ってみました。

内容は、栄養学というか生理学というか、いろんな体内での代謝が引き起こす現象についての論文をあちらこちらから集めて、「統合失調症の原因はアドレナリンが酸化してできるアドレノクロムによっての悪影響である」ということを説明しています。そして、その複雑な代謝のどこに介入するかという点で、ナイアシンを摂取するなどしてアドレナリンの酸化を抑えるのが有効だ・・・といった話の内容でしょうか。

とにかく、他人の研究を引っ張ってきて論理を組み立てるのはいいんだけれど、そのものズバリの実証的研究が落ちている。少しそれっぽいところも無いわけじゃないけど、確かに、言ってることは(私の不勉強でよく分からない部分も多いが)正しいのかもしれないけれど、信じるに足る実証データが他からの引用が多く、かつ簡略で、理解するのが難しい。

ストレスに晒されてアドレナリンが放出され、それがアドレノクロムに酸化されて・・・ということや、それを阻害する働きのある物質や、かかわりのある物質や遺伝子などこれでもかというくらい出てくるのですが、的がいまひとつ絞られていない。

最後の方に至っては、統合失調症の遺伝子も何か人間の生き残るに当たって有利な点があるから存在するのだとか、統合失調症の遺伝子を持つ家系には優秀な人物を輩出する傾向がある・・・など患者やその家族を持ち上げようとする意図も見えてなんだかげんなり。

書いてあることもウラを取らないと信用できないけど、あまり話が整理されていないので、それほんとなのか?と、いうところで私はストップしてしまいます。信用できるところと怪しげなところがごった煮です。ナイアシンを摂取するのが効くらしいとか、アレルギーが関係してるらしいとか、製薬会社がビジネス的にドーパミン仮説を利用している気配とか・・・もうごちそうさまです。

否定も肯定もできない。

著者が地理学部教授というのもよくわからない。
地域の土壌や水の成分が健康に与える影響の話が出てくるから、まるで関係ないわけでもないのだろうけど・・・。

栄養が病気と関係してるのも分かるし、遺伝子が関係してるのも聞いてるし、ドーパミン仮説がまだ仮説の段階なのも知ってるけど、それを包含して複雑な代謝の仕組みを説くならば、そして、一般書として発行するならもうちょいと読みやすくできないものかなと思いました。

科学というのは、論理を組み立てるだけでなく、実証することが大事なんだろうけど、実証部分がさらっと流れてしまって信用していいのか迷ってしまう。そういう本でした。

 
 
でも、わらにもすがる思いでビタミン摂取するわたし。 

とりあえず、このあいだからマルチビタミン毎日一粒ずつ飲んでるけど、まだ気休めですね。頭皮の状態はいくらかよくなった感じ。まあ、効いてるような効いてないような。実証にはまだ遠いです。

「こころの元気+ 2009年2月号」

こころの元気+の2月号が届いたので読みました。
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今号の特集は「リハビリについて知る」

1.私にとってのリハビリは・・・
 まずは読者によるリハビリ法の紹介です。どうすれば気分が楽になるかちょっとしたことだったり、あるいは気分の持っていき方の紹介です。
2.ナースのつぶやき
 元精神科看護師の松鳥むうさんの4コママンガでした。
3.自分を認めるーそれがリハビリの始まりです
 自分を責めないこと、現在の状態を認めること、楽しいことや、健康な部分を増やすことがだいじだということ、また、助言したりしてくれる仲間をもつことの大事さを書かれています。
4.リカバリーを実現するリハビリ
 回復(リカバリー)のためにどんなことが必要か、例としてジョブコーチによる就労支援やIPS(Individual Placement and Support)によって一般社会の場に出て行くことを支援することで、リカバリーを実現することについてでした。
5.病院で行われているリハビリテーション
 病院で行われている作業療法プログラムの紹介とIMR(Illness Management and Recovery)とDBT(Dialectical behavior therapy)の説明です。

後は連載記事がいつもどおり。
ガボンの精神病院で働いている方の記事が興味深かったです。

読者の体験と専門家の支援・治療法の紹介が主な内容の雑誌なわけですが、「この先を知りたい」「もう少し詳しく知りたい」という時にちょっととまどうことがあります。インターネットで検索すればある程度は出てきますが、せっかくの情報も、専門家レベルと、当事者の体験レベルでの差が若干大きいようで、たとえば論文に書かれていることを実際に行うにはどうすればいいか、詳しい内容は結局書籍にあたりなおさなければなりません。記事の量が抑えられていることもあり、どの記事をどこまで信頼していいのか、あるいは、自分で試してみるべきものなのかどうか、調べなおす必要がでてきます。ええと、つまり紹介されているものがごった煮状態なので、どう取捨選択すれば良いかわからないところがあると言えばいいのでしょうか。

結局のところ、ひとりひとりに合ったリハビリを・・・となるわけで、個人に合わせた専門家の支援は、これがまた専門家ひとりひとりのやり方が違っていて、どう合わせていくのかは出たとこ勝負なのでしょうか。雑誌に紹介されたから自分も同じ方法でリカバリーできるかというとそうではない。そんななかで情報を雑誌という形でまとめていくのは大変なことだろうと思います。

個別化と連帯を同時に進める、しかもわかりやすく。
まだ創刊2周年。評価しづらい雑誌に感じますが、
情報源としてある程度のまとまりがあると思うので、期待してます。

個人的には「ものたりない」と思います。
でも、15年前の自分だったらこの量は「多すぎ」だと思うでしょう。

読者を見ながら作って、読者の多様さをカバーしきれるのか?
編集者の苦労がなんとなく感じられます。
交通整理のしにくいネットと違った、編集者の力が問われてるのだろうなと思います。
と、いうかいろんな方を引っ張り出してくる裏方の能力は高いと思いました。

なんか軽めのコラムがもっとあってもいいかなと思うけど、
読者投稿がその役割なのかな?

「こころの病い 私たち100人の体験」


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こころの病い―私たち100人の体験

本屋で目にとまってなんとなく購入。

平成5年4月初版。

ということは、精神保健法時代。社会復帰施設が整備され始めた頃の本。
そして、私が「精神分裂病」を発症した頃の本。

手帳も無い時代。

それでもたくさんのひとたちが社会に向き合っている。
声を上げて社会に訴えている。
この人たちが社会を動かしていった。

今はたくさんの情報がインターネットで飛び交っているけど、
まだパソコン通信の時代。PC-VANとかniftyの盛んだった頃の本。

今、この本に文章を書いた人たちはどうしているのだろう。

この本の出る何十年も前から、いまだに入院し続けている方もいる。
社会はゆっくり変わっているのか、激しく動いているのか分からなくなってくる。

でも、大切なものは変わらないはずだ。

大切なものを手放さない姿勢を今日は某氏からも学んだ。

自分の譲れないもの・・・。それはすでに崩れ去った夢。
大切なものが砕け散っても生きていく。毎日は過ぎ行く。

新しく大切なものを見つけたから。今度は手放さないように・・・。

 


私信

師匠!歯医者にちゃんと行って来て下さいよ!!
永久歯は大切ですよ!

かかわりの途上で

「かかわりの途上で」相川章子・田村綾子・廣江仁 著 を読みました。


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かかわりの途上で

あっというまに読み終えました。PSWの業務の紹介の本です。
ケース検討の資料と違って、PSWの仕事をしていく中での想いが中心に書かれています。

読んで思うのは・・・。素直な思いは・・・。書けないや。

病院のPSWと施設のPSWの違いとか、実習で見たこととか、当事者の視点からのPSWの見え方とか、自分の体験上いろいろ考える部分があるんだけれども、PSWってひとくくりにするのは、精神障碍者をひとくくりにするのと同じで間違いなんだろうなと思いました。

もっとすごい話を隠し持ってるはずだけど、語らないし語れない・・・のではないかと。

読みやすい本だと思うので、PSWってなんだろう?という人にはいいと思います。
ちょっとお値段は割高に感じたけれど・・・。すてきなPSWがいっぱいいたらいいな。

ゆっくりゆっくり

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読書はやっと9章あるうちの第3章まで読みました。
ゆっくりゆっくり。

確実に読もうと思っても、読んだ先から忘れていく。
最後に何が残るだろうか?

なにかひっかかるといいけど。

で、本の世界にいると現実をおろそかに。
背後からしのびよられて缶けりのごとく蹴飛ばされる。
ものごとに没頭すると見えないところに隠れてる奴にスコーンとやられる。

呆けています。でも、安心して呆けていられない。

のんびりとしながらピリピリしている。
まだまだ不安定な自分。

どうしようもないのだけれど。