コレ読んだ。
この著者は最近話題の新しい形のうつ病を「平成うつ」と呼んでいますね。
かつての神経症タイプのうつがDSMなどの診断基準によって従来のうつ病と混同されてしまっているという主張は、多の書籍とも同じ。
産業医という立場から、「復職」を支える立場から記述しています。
記憶に残ったのは「シロクマ実験」について。
シロクマの生態観察のビデオを見せた後に、被験者に3種類の指示を出します。
1.「シロクマのことをしっかり覚えておいてください」
2.「シロクマのことは考えても考えなくてもいいです」
3.「シロクマのことだけは考えないでください」
1年経ってシロクマのことを一番覚えていたのは3の人たちだったそうです。
忘れろって言われるほど忘れられなくなるんですね。なるほどね。
あと、死にたいと思うときに有効なのは、短期的な目標を設定すること。
「将来何になりたい」とかいう目標じゃなくて、次の通院までに何をしましょうとかいうくらいの小さな目標を作ってステップを踏むことだそうです。
受験勉強などでも、分厚い問題集をばらして細かくして、一つづつ片付けていくといいのだそうです。
とりあえず私は「仕事のことは忘れろ」と考えるのがいいのか
「仕事のことは忘れるな」と考えるのがいいのか悩んでしまいました。
仕事自体は毎日、ここまでやろうと決めてちょっとずつ進めていますので、
おおむねOK。ただ、予定通りに進まないだけ。だめじゃん。
ところで、この医師にしても境界性人格性障害には手を焼いている模様。
「一貫した対応」が大切なんだそうです。キーパーソンを中心として。
あるときはこう、またあるときはこう・・・だと裏切られ感を加速させて・・・
ってなことらしいのですが、周りを試しているんですね。
そして自分の存在確認をしている。
しかし、新書1冊では危ういような気も。
困っている関係者が考えるきっかけにはいい本なんだろうなと思いました。
うつ病から復帰した人は増加するうつ病の人を救える存在になるので、
会社に結果として利益をもたらす存在になりうるということなので、
会社に迷惑をかけて損害を与えてしまったとは考えないでいいとのこと。
統合失調症はどうなのよ?
・・・と聞きたいけれどね。社会復帰への道はいろいろなのでしょうね。